IMPHY シットエアー
~開発裏話~
ある腰痛持ちのお医者様が整形外科医の先生に相談した時の事です。 「あなたが楽だと思う姿勢は腰にとっては楽ではないのですよ」 腰痛持ちのお医者様はその時、骨盤が後傾し猫背になる事が腰痛を引き起こす原因になるのだと初めて気が付いたのでした。 前かがみで猫背姿勢を取りながらパソコンを打ったり、背もたれに寄りかかりながら遠くのキーボードとマウスを操作したり、どちらも後傾する骨盤が猫背を引き起こしている状態です。 ただ、お尻をやさしく包み込むだけではありません。骨盤を立てて座れるように導いてくれるのがシットエアーなのです。シットエアー開発者である弊社社長の森平は、約11年、50万枚以上にもわたる骨盤サポートシートの販売実績の中で数千人の腰痛持ちの方々に実演販売で対応して参りました。今までの骨盤を立てる仕組みを持つ商品は、ほとんどが硬い素材でできていて、クッション性がありませんでした。硬い素材にクッション性を持たせるとどうしても大きな製品となり、持ち運びも不自由でした。また、やわらかい素材でできている物は骨盤が沈み込み、お尻の負担は軽減できても腰の負担が発生します。そこで森平は、自重で作られる空気圧と空気流動で骨盤を起こして腰の負担を軽減するシットエアーを考案しました。空気で膨らます商品なので柔らかく、しかも畳めば持ち運びが簡単という構造です。柔らかい素材で骨盤を立てて腰の負担を軽減する商品開発は不可能であると思われていましたが、それを可能にしたのがシットエアーなのです。開発段階では何度もプロトタイプを作っては試しました。正直、最初は「これがどういいのか…?」という顔をする社員もいましたが、大きさ・形・空気流動の流れ・支えるポイントの体積や形を変更させながら今回の形にたどり着きました。弊社取り扱い実績のある海外ブランドと耐圧分散のテスト比較をした際に驚くほど差が付いた事には、「どういいのか…?」の反応だった社員も感激し、試してくれる社員や身内の反応が大きく違ってきた事も大変励みになりました。 上半身の重力>骨盤を持ち上げる力 なぜ、重くて後傾してしまう骨盤を空気で立たせることができたのか。通常は硬い素材や潰れない素材でがっちり押し上げる事を考えます。 ですが、シットエアーには空気しか入っていません。しかも柔らかく丁寧に押し上げてくれ、骨盤を動かしてもやさしくそのまま動きに合わせて支えてくれます。そのワケは…座骨がピンポイントで上半身の重力がかかる場所になります。その座骨にあたる部分にポンプ室なるパーツを作ります。そのポンプ室が大きすぎても空気圧が強すぎて全体が硬くなるので丁度良い圧が発生する体積にします。そして座骨にかかる上半身の重力でシットエアーの中を空気が流れる様にして骨盤を支えるサポート室に圧をかけていくのです。上半身の重力の方が骨盤を立てる力より大きいのでそれが可能となるのです。初めからサポート室を孤立させてパンパンにしても骨盤は立ちますが、骨盤を左右前後に動かしてもサポート室の空気圧は変わらず、骨盤の動きを制限してしまいます。実は、圧で骨盤を立てながらも流動性を持たせて骨盤がふわふわと浮く様にする理由があるのです。骨盤は固定すると腰椎に負荷をかけてしまうのです。骨盤をいつも自由に動かせる様にすると、腰椎への負荷ではなく胸椎を動かす動きになります。胸椎は良く動いた方が良い所であり、そこで腰椎への負荷を吸収してくれるのです。上半身の重力を骨盤を立てる力に変換し、かつ「ふわっ」とどんな状態でもやさしく支える。骨盤を傾けても動かしてもいつでもそのまま支えてくれる、そんな不思議な構造はこの様にして考えられました。シットエアーは日本だけでなく、中国、米国でも国際特許を申請中です。IMPHYではこれからもまた新しい商品を開発し続け、多くの方に喜んでもらえる仕事に力を注いでいきたいと思います。
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